IKARI イカリ消毒株式会社

特集TOPICS

Solution

オープンクリーンシステム(KOACH)を用いた
食品製造現場における落下菌対策

食品業界の動向

食品業界を取り巻く環境の急激な変化

1HACCPによる衛生管理
  • 2018年6月に厚生労働省より「食品衛生法等の一部を改正する法律」が公布。
  • 全ての食品事業者に対して2020年6月からHACCPの義務化が開始 (1年の猶予期間を経て2021年6月から完全制度化へ)
  • 作業工程の見直しや衛生管理の徹底が急務

    工程検証や環境モニタリングを目的とした検査も増加

2食品ロスの低減
  • 2019年10月に消費者庁より「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行。
  • 食品製造業においては、食品ロス削減への取組みも重要な課題に
  • 消費期限・賞味期限の延長や、その延長技術の創出

衛生管理の意識向上とともに、
微生物管理の重要性も見直され、
より対策が進められています。

微生物が引き起こす問題

有症クレーム

食中毒・有症苦情等※細菌、ノロウイルスなど

有症クレーム ◆病原物質別発生状況(患者数)
厚生労働省「令和元年食中毒発生状況」より

検査クレーム

微生物基準の逸脱(自社、納品先等の基準)
※一般生菌・大腸菌群など

検査クレーム

腐敗変敗

[外観異常]
変色・膨張(ガス発生)
混濁・ネト(糸引き)
溶解・軟化・液化・凝固
斑点(異物形成)
[その他]
異臭・異味
※細菌・酵母・カビ など

製品回収SNSの拡散消費者の不買

細菌-麺変色細菌-麺変色

酵母-菓子の膨張酵母-菓子の膨張

カビ-パン変色カビ-パン変色

カビー飲料で浮遊物カビー飲料で浮遊物

製品回収SNSの拡散消費者の不買

◆写真:全て弊社での再現品です

微生物がやっかいなところ

  • 目で見えない小さな生き物(わずか数μm)
  • 食品を栄養源に早く増える
  • 食品流通後に増えて問題化する
  • ロット単位でクレーム発生
  • 制御(ガス置換包装など)が解けると再増殖

微生物がやっかいなところ

衛生的で安全な食品を生産するために、
微生物の汚染リスクを減らすことは、
とても重要な課題です。 (微生物対策は、衛生管理の要と言えます)

イカリ消毒の微生物管理サポート

弊社へ寄せられる様々な相談

  • 消費期限内での基準値逸脱の懸念がある。
  • HACCP導入後も、カビ発生クレームが起きる。
  • 検査数が増え、効率化したい。
  • 検査室の精度が不安(検査環境からの汚染か?)。
  • 流通温度や賞味期限を見直して、食品ロスを減らしたい。 等

イカリ消毒は、食品製造の日常管理から、
問題発生時の緊急対応まで
幅広く対応しています。

  • 微生物の現場調査(クレーム原因究明やリスク調査)
  • 従業員のスキルアップ(微生物管理の知識向上、検査の技能研修)
  • 殺菌施工(水害や感染症発生時の消毒)
  • 洗浄・殺菌方法、アイテムのご提案

微生物モニタリング検査員が対応
<微生物知識と調査技能を持つ>

  • 微生物管理の効果検証(環境微生物モニタリング、最終製品のチェック)
  • 検査精度の検証(検査手技、検査室管理の状況検証)
  • 微生物検査(保存検査、腐敗変敗試験など)

LC環境検査センター 微生物検査

製造現場で見られる事象・・・

  • 微生物クレームに発展する要因は様々ですが、
    実際の現場にお伺いすると、製造環境からの二次汚染による不具合が多く見られます。
【微生物問題の要因】
  • 原料の品質
  • 添加物の配合ミス
  • 加熱等の殺菌工程の不良
  • 温度管理(加熱後の急冷や保管)
  • 従業員の取り扱い
  • 器具・機械類の洗浄不良
  • 空中微生物の汚染
  • シール不良

【微生物問題の要因】

  • 特に、カビによるクレームは、空気中に飛散した胞子が、加熱後の製品に落下・汚染し、問題となる事例が少なくありません。
  • しかし、空中微生物は、付着菌に比べてコントロールが難しく、対策に行き詰まる施設も多く見られます。

製造現場で見られる事象・・・

検査室では・・・

検査トレーニングや監査のため、検査室を訪問すると、
検査そのものや検査環境に対する様々な悩み・相談をうけます。

  • 衛生管理の検証、賞味期限設定のためのデータ収集など、微生物検査へのニーズが増加。
  • 人材不足が深刻で、新人教育も大変。
  • もっと、作業の効率化を図りたい。
  • 製品の出荷検査で、カビが検出され、出荷がストップすることがある。
    (検査精度に不安がある・・・)

など

そこで今回は、
これらの悩みを解消できる、
オープンクリーンシステムKOACH
ご紹介します。

KOACHとは?

超高性能フィルタ独自の整流技術で、
周囲を囲うことなく、
世界最高レベル(ISO Class1※)の
クリーン空間を形成します。

➡ 微生物も存在しない無菌空間です。

※0.1μm以上の粒子数10個以下/㎥

オープンクリーンシステムKOACH

超高性能フィルタ FERENA

メインフィルタとして搭載されたFERENAは、エレクトロスピニング法による超高性能ナノファイバーフィルタです。ULPAフィルタと同等の捕集性能を有しながら、圧力損失をHEPAフィルタと同等に抑えます。

独自の整流技術

一定の速度・方向に吹き出す気流(同一ベクトル集合流)を対向させると、中央で衝突し、外向きの気流が発生します。この気流の力で、外部からの塵埃の流入を防ぎ、内部で発生した塵埃も滞留させることなく排出します。

落下菌試験

本当に周囲を囲わず無菌空間ができるのか?

検証のため、落下菌(カビ)に対するKOACHの性能試験を行いました。

【試験方法】
1.KOACHを運転した後、培地を設置。
2.扇風機で、室内にアオカビの胞子を拡散。
3.2時間後に回収して培養(25℃・1週間)。

結果 : クリーン空間内の
落下カビ数は0でした。

落下菌試験

検査室での無菌操作に

両側から挟み込むだけで、
簡単に無菌空間ができるKOACHは、
検査室の信頼性確保に役立ちます。

ガスバーナーの近くでもカビが落下している様子ガスバーナー周囲で落下カビ数を
測定(3時間)した結果

ガスバーナーの近くでも
カビが落下している様子

オープンな無菌空間、移動も簡単だから、作業効率も格段に向上します。

視界が良いから、細かい作業がしやすい視界が良いから、
細かい作業がしやすい

立ち作業や手を持ち上げる試験も可能立ち作業や手を持ち上げる
試験も可能

流れ作業や新人のフォローも楽々流れ作業や新人のフォローも楽々

検査に合わせて移動できる検査に合わせて移動できる

食品を用いた落下菌試験

製造現場の落下菌対策としても、
KOACHは有効なのか?

加熱済食品を包装する前の一時保管・放冷工程で、落下菌汚染が発生し、問題となるケースがあります。
そこで、蒸しパンの放冷工程を再現し、有効性を評価しました。

【試験方法】
1.KOACHのクリーン空間に放冷用ラックを配置し、蒸しパンを40個設置。(KOACHなしの対照のラックも配置)
2.青カビの胞子を扇風機の風で室内に拡散。
3.3時間経過後、蒸しパンを回収し、保管(25℃で14日間)。

試験方法

結果 : 通常(KOACH使用なし)は、
5日目からカビが生えるところ、
KOACH使用ありでは、
14日後でもカビは0でした。

落下菌試験 結果

製造現場の微生物対策に

既存現場の限られたスペースでも、
KOACHは設置可能です。
空中微生物を0に抑え込み、
不良品によるロスの低減や、
食品の日持ち向上につながります。

湿気がこもらず、作業や清掃がしやすい湿気がこもらず、
作業や清掃がしやすい

現場に合わせて、クリーンゾーンを変更現場に合わせて、
クリーンゾーンを変更

まとめ

  • 食品業界の急激な変化とともに、衛生管理(特に微生物管理)への取組みが急務に。
  • 中でも、製造現場での二次汚染対策や、信頼のおける検査(検証活動)を維持することは、常に重要な課題である。
  • KOACHは、食品製造現場の空中浮遊菌を0に抑制し、様々な課題を解消する、これからの新しいクリーンデバイスである。