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食品衛生の豆知識 -微生物対策編-
「微生物が引き起こす『功罪』」

イカリ消毒株式会社 
大音 稔

 みなさんは「微生物」にどのようなイメージを持っているでしょう? 「食べ物を腐らせる」「食中毒を引き起こす」など、あまり良くないイメージでしょう。しかし、微生物は食品を製造する上で、なくてはならない存在でもあります。
 今回は、微生物のいい面、悪い面を確認してみましょう。

1. 微生物は役に立つ?

● 食品の製造に微生物は役に立つ!

 「醸造」や「発酵」は微生物の働きによるものです。すなわち、次の食品は微生物がなければできません。

ヨーグルト・パン・チーズ・酒・味噌・納豆・しょう油・酢

食品の製造に微生物は役に立つ!

● 薬を作る微生物もいる!

 病気になったときに処方される「抗生物質」は、微生物が作る天然の化学物質です。
 よく知られているのが、青カビから作られる「ペニシリン」です。

薬を作る微生物もいる!

● 他にもいろいろ役に立つ!

 人間の皮膚にいて、皮膚を保護したり、腸の中にいて食べ物の消化を助けたり、死んだ動物や落ち葉を分解して土にかえしたり、他にもいろいろ役立っています。

他にもいろいろ役に立つ!

2. 微生物が起こす問題は?

● 腐敗変敗

 多くの食品は常温に放置しておくと、時間の経過とともに、臭い、外観、味などに何らかの変化を生じ、いわゆる「腐る」という状態になります。この「腐り」は主として微生物が原因で起こります。一般に、微生物の増殖によって食品を変化させる現象を腐敗・変敗といいます。

a. 腐敗 …
食品の成分(主にタンパク質)が微生物の作用を受けて分解され、特に悪臭をともない食べられなくなる現象。
b. 変敗 …
食品の成分(主に脂質・糖質)が微生物の作用を受けて分解され、悪臭や、味、色、形の変化がおこる現象。

腐敗変敗

● 食中毒

 病原性を持つ微生物(細菌・ウイルスなど)に汚染された食品、有害有毒な化学物質を含んだ食品を食べて起こる急性の病気(嘔吐・腹痛・下痢などの症状を伴う胃腸障害など)のこと。
 細菌性の食中毒は「毒素型」と「感染型」の2タイプに分類することができます。

食中毒1

食中毒2