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食品衛生の豆知識 -微生物対策編-
「微生物対策の基本 〜増やさない・殺す〜」

イカリ消毒株式会社 
大音 稔

 今回は、「食中毒予防の3原則」の中で、“食品中で菌を増やさない” “食品中の菌を殺す” に注目してみましょう。

1. 細菌の増え方

● 細菌は、単細胞であり、増えるときは1個の細菌が分裂して、2個になります。

● 増える条件(温度・水分・pH など)が整えば、短時間で天文学的な数になるまで増えます。
例えば、食中毒菌の1つである「腸炎ビブリオ」は、適切な条件であれば、1分間に1回
分裂します。つまり、1個の腸炎ビブリオが3時間弱で100万個以上になるのです!

細菌の増え方 イメージ

2. 細菌の増殖にかかわる「あれこれ」

● 食品の原料、半製品においては“加熱(微生物が死滅する位の温度設定)”という工程がない限り、微生物は食品中に存在します。そのことから如何に微生物が増えないようにするかが必要であり、微生物の増殖要因である温度、水分活性、pH、酸素濃度などのいずれかで制御しなければいけません。

● 「増殖させないための条件」の一般的な例は以下のとおりです。

細菌の増殖にかかわる「あれこれ」 イメージ

3. 「殺菌」について

● 多くの食品原料には、すでに微生物が生息しています。これらを除去する(殺菌)ためには加熱工程による熱、あるいはその他の手法(殺菌剤など)を用います。

● 食品の「殺菌」の一般的な例は、以下のとおりです。

「殺菌」について イメージ

4. 加熱による殺菌の注意点

● 一般的に75℃以上の加熱で、微生物は減少させることができます。

● ただし、以下の点に注意を要します。

  • 減少させるための要素は温度だけでなく、加熱時間等も重要なポイントとなる。
  • 細菌の中には、120℃以上の加熱が必要なやっかいな微生物も存在する。
  • 細菌の中には人間を害する毒素を作る種類があり、その毒素は加熱に強い場合が多い。

加熱による殺菌の注意点 イメージ

食中毒予防の3原則 イメージ